▼藤原佐理(ふじわら の すけまさ)の碑の概要
藤原佐理(西暦944?998年:天慶7年~長徳4年)は平安中期の名書家で、小野道風、藤原行成とともに三蹟の一人として数えられています。
愛媛県大三島にある大山祇神社の宝物館に、佐理が書いたと伝えられる木造の神号扁額(国指定重要文化財)が所蔵されています。これについては、古文書「大鏡」の中に逸話として次のように書かれています。
長徳元年大弐(太宰府の次官)の任を終えての帰路、伊予国の手前で海が荒れ出帆できないで困っていると、夢の中に三島明神が現れて、「実は私があなたを引き止めているのだ。ぜひ私の社の額を書いてほしい」と懇願されたそうです。
そこで藤原佐理は翌朝大三島神社に向ったところ、風は凪ぎ、神社に着き現存する大額を書いて、無事に京の都に帰ったと伝えられています。
この夢のお告げを聞いたとされる「伊予の前なる泊」が弓削島の明神であることが歴史研究により判明しました。「藤原佐理卿漂着之浜」の碑は、弓削島明神出身の有志によって建てられました。