▼「菰隠」伝説とは
その昔、菰に包まれた仏像が流れ着いたという伝説から、この地は「菰隠」(こもがくし)と呼ばれるようになりました。流れ着いた仏像は、岩城島にある祥雲寺(しょううんじ)で今でも大切に祀られています。
ちなみに、菰(こも)とは、藁(わら)を織った、筵(むしろ)の様な物です。日本酒を詰めた樽酒(たるざけ)の表面を覆っている畳の表のようなものが菰(こも)なのです。
▼観音さまの甘露水
話を本題に戻しましょう。菰隠に漂着された観音さまの左手には「水瓶」(すいびょう)と呼ばれる浄瓶を携えておられました。水瓶の中には霊験あらたかで不思議な甘露水が入っており、ふりかけられると穢れ(けがれ)が消えるとされています。
このようなスタイルの観音様を「滴水(てきすい)聖観音」と呼ぶそうです。無限の功徳水を注いでくださるという観音様です。観音様は時と場所に応じて姿を変え人々を救うと言い伝えられています。
▼岩城島の実業家が奉納
観音菩薩のご慈悲は、火事や水難などの災害や詐欺、盗難などの被害から守ってくださるのをはじめ、病気や怪我の平穏、健康長寿はもちろん、よこしまな欲望などの煩悩(ぼんのう)という精神的な苦痛からも解放していただけるそうです。ありがたや、ありがたや(合掌)
菰隠観音に隣接するホテルの創業者、今井幸一翁がみなさまの健康長寿を祈願し「菰隠観音」を奉納されました。大理石で彫刻された観音像は高さ2mを超える大きなもので、岩城島の祥雲寺和尚に開眼していただいたたそうです。