▼1925年に上水道が普及するまで大活躍した庶民の知恵
尾道の生活の知恵が生んだ「二階井戸」 一階の住人も二階の住人も共同で使える井戸です。えぇ?どゆこと?とおっしゃる方にわかりやすく解説しておきましょう。
▼塩味が含まれる井戸水
尾道は平野部が少ないところだったので、人口が増え発展していくと、民家は、山の斜面に密集して建てられていきました。その後開けていく市街地平野部は、7割以上が海岸埋立地のため、井戸を掘っても塩分を多く含んでいました。島嶼部で生活した経験を持つ方なら「あぁ、あの味ね」と記憶している方もいらっしゃるでしょう。
各民家は、1925年に水道が引かれるまでは、水売りの行商や、共同井戸から水を確保しており、毎日、坂道を水を汲んで上がったり、降りたりするのは、重労働でした。坂の町尾道に暮らす人々の知恵は、二階井戸を生み出しました。二階井戸とは、2階から桶と滑車のついた鎖で井戸を汲み上げることができる、手動取水汲み上げ式の井戸なのです。
二階井戸の地図とデータ
名 称:二階井戸(にかいいど)
住 所:〒722-0032 広島県尾道市西土堂町10?2
ご注意:この二階井戸は、尾道で生活していらっしゃるT氏個人の宅地敷地内にある個人所有の文化遺産です。静かに見学し、近隣ですれ違う住民の皆さんには「こんにちは、おじゃましています」の声をかけるなど、礼儀正しくしていただければ幸いです。