千光寺〔真言宗〕
西暦806年(大同元年)、弘法大師の開基とされる真言宗のお寺です。千光寺山(正式名:大宝山)の中腹に位置し、尾道を代表する観光地「千光寺公園」はこの千光寺を中心に整備されています。 朱塗りの本堂「赤堂」や”残したい日本の音風景100選”に選定された「鐘楼」はシンボル的存在です。
初詣のスポットとしても知られ、例年多くの参拝客が訪れます。 また境内には様々な形の巨石群があり、中でもシンボルとなっている「玉の岩」は、その昔、岩の頂に光る玉があり、このあたり一帯を照らしていたとの言い伝えがあります。
そのことから尾道水道は別名「玉の浦」とも呼ばれています。 境内からの展望は尾道を代表する風景のひとつです。
▼大師堂(だいしどう)
千光寺玉の浦大師の由来によると『弘法大師尊像』は、かって霊場高野山に安置せられ、あまたの信者達、日夜に広大無辺なる御恩徳をお授けしつつありましたが、或夜侍僧に「吾、高野を立ち出でて西方玉の浦に赴き衆生を済度せん」との霊夢を下し給い、世にも不思議なる話と伝えられておりました。
歳経て、当地篤信者、山中善一氏の夢枕にお大師様がお立ちになり、千光寺に弘法大師奉安の儀を発願し尊厳崇高なる御尊像を捜し求めつつありしに、はからずも此の尊像を御迎えすることになったのであります。
▼鏡岩や梵字岩などもあります
千光寺ロープウェイ山頂駅から千光寺へ降りる「文学のこみち」を散策してくると千光寺の大師堂へつながっています。ここには、霊験あらたかな鏡岩(かがみいわ)や梵字岩(ぼんじいわ)もありますので、サインボードに注意して歩いて下さいね。
干支の守り本尊の石仏も揃っているので、自分の守り本尊を探してみて下さい。(子年:千手観音菩薩、丑年・寅年:虚空蔵菩薩、卯年:文殊菩薩、辰年・巳年:普賢菩薩、午年:勢至菩薩、未年・申年:大日如来、酉年:不動明王、戌年・亥年:阿弥陀如来)
▼鐘楼(しょうろう)
大師堂前の小門をくぐると目前に朱塗り唐づくりの鐘楼「驚音楼」が断崖絶壁に建っています。この鐘は「時の鐘」として名高く、元禄初年より時刻を近郷近海に報じ、現在ではテレビ、ラジオを通じて「除夜の鐘」としてひろく人々に親しまれ、尾道の名物の一つにもなっています。
▼三十三観音堂(さんじゅうさんかんのんどう)
関西一円の西国観音霊場の各札所の御本尊、観世音菩薩33体が祀られ、ここにお参りすると西国観音霊場を巡拝したのと同じ功徳があると伝えられています。
お堂の正面には桜木で造られた百八煩悩滅除大念珠が下げてあり、幸せを念じながらゆっくりと引きますと珠が上から落ちてカチカチと音がします。この音で苦しみの根源である煩悩を打ち消して、観音様の御守護が頂けると言われています。天井には勇壮な龍の絵が描かれています。
▼千光寺境内からの眺望
千光寺の境内からは尾道の市街地と瀬戸内海の尾道水道、向島、しまなみ海道などが一望できます。この場所で撮影された写真が尾道の観光案内などに使用されています。
千光寺の地図とデータ
名 称:大宝山 権現院 千光寺(せんこうじ)
住 所:〒722-0033 広島県尾道市東土堂町15-1
電 話: 0848-23-2310