▼地蔵鼻（じぞうばな）の概要
まず最初に申し上げますが、こちらは健脚者向けの観光スポットです。アクセス路も土地勘のない方が、スマホの地図を頼りにしてもたどり着きにくいため、地元の方に相談するなどして参拝ルートを計画して下さい。
また、干潮時しか「鼻の地蔵さま」にはたどり着けないため、訪問予定日の干満時間帯を調べてから計画するべきです。
たどり着くのが難しい、平日にはほとんど人とすれ違わない閑散としている鼻の地蔵さまですが、それだけにご利益は望めるので縁結びとか子宝、安産などに悩んでいる方にはオススメです。
2018年7月の豪雨災害により崖が崩れ、現在封鎖中です。
▼恋が成就するパワースポット
因島の南部、東海岸の尖端にある小さな岬「地蔵鼻」のお地蔵さまに祈願し、悲運の恋を貫いた娘の思いが込められた小石を持ち帰ると、恋が成就するといわれて、縁結びの願いを込めて多くの若い女性が訪れています。
▼地蔵鼻の恋伝説とは
美可崎城（現在の地蔵鼻の岬の上）の城主、金山亦兵衛康時は、琴の修行のため船で都に向かう周防の高橋蔵人の娘を関所破りの罪で捕まえましたが、娘の美しさと娘の奏でる絶妙な琴の調べにすっかり心を奪われ、島にとどまり自分につかえるよう命じたところ、娘には周防に思いを寄せる若者がいたため応じませんでした。
すると康時は腹を立て娘を浜で切り捨ててしまいました。
それから間もなく夜になると、娘のすすり泣く声と共に琴の音が聞こえ始め、康時は夜ごとに悩まされ続けました。
そこで、渚の自然石に地蔵尊を彫り娘の霊を手厚く供養したところ亡霊に悩まされなくなったということです。
▼小石に込められた恋のパワー
その後、その話を聞いた周防の若者が地蔵鼻で娘の後を追いこの海に身を沈めました。すると地蔵の目からポロポロと涙がこぼれ落ちそれは、みるみるうちに小石になってあたりに散らばったということです。
この鼻の地蔵さんに祈願し、娘の思いが込められた小石を持ち帰ると、恋が成就するといわれて、縁結びの願いを込めて多くの若い女性が訪れています。
▼健脚向きのパワースポット
クルマが停められる地蔵鼻と美可崎城跡と兼用の駐車場付近から 断崖絶壁を切り拓いた階段を下ることになります。
高さを建築物に換算すると約12階建てのビルを階段で下りて、帰りは登ることになりますので、健脚向きのパワースポットとして紹介しておきます。
▼お礼参りで増え続けるお地蔵さま
恋が成就するだけではなく、子授け、安産、女性の願い事が叶えられるといわれています。
祈願が叶うと石地蔵を作ってお礼参りをする習慣があります。
毎月旧暦の二十四日は命日とされており、地元の人々はもちろん、近隣の島々や遠く県外からの参拝者で、賑わいます。地蔵鼻へ向かう参道には願いが成就したお礼参りによって奉納されるお地蔵さまが増え続けています。
▼アクセスは石田造船を目印に
因島の南部東側海岸に位置しています。地図を見ると南側にある五柱神社（折古ノ浜）からのルートと北側の石田造船さんの社屋側からの二つの進入路があります。
一般の自家用車だったら、後者の石田造船さんの横を通る進入路を選ぶべきです。なぜなら、前者の南側のルートは道幅が極端に狭くすれ違いが不可能な場所もあるのです。
この写真の八雲神社（明神社）に地蔵鼻への案内看板を目印に進入すると石田造船さんの横を通って地蔵鼻へ最短距離でアクセスできます。
カーナビでは南側へ通り抜けが可能にも見えますが、帰路も来た道を戻るのがイイと思います。バイクとか自転車なら通り抜けは可能です。
